【エッセイのような小説】プレーンソング/保坂和志【あらすじ・感想】※少しネタバレあり

こんにちは!ムーちゃん@muu121211です。

個性豊かな人間たちが1つ屋根の下に集まり、いろんな人間模様を見ることができます。

お出かけしたり、子猫の観察をしたり、競馬場にいったり。

何かがしたいわけじゃない。何かを残したいわけでもない。東京という雑多なの中で物語がはじまります。

 

あらすじ

ぼくは彼女と同棲がしたくて、西武池袋線の中村橋駅の2LDKに引っ越した矢先、フラれた。

何もかもが楽しくなくて色褪せたように感じる日常に、入り込むかのように子猫がぼくの家近くにやってくる……

子猫と競馬、それとアキラとよう子。

奇妙な共同生活が始まり、さらに仲間も増える。

海へ行こう。

日帰りにしようか。泊まりにしようか。

冬の終わりから真夏の海へ行くまでの物語。

些細な日常を人や物を通して丁寧に綴られたエッセイのような小説。

あらすじを紹介しようにも掴み所がない作品となっています笑笑

 

感想

こんな小説があるんだ!と、驚いた。基本的には起承転結で小説は書かれていて、何かしらの盛り上がりを見せて、最後は何処かしらに着地するものだ。

それがまったくない。

こんな小説もありなのかと、不思議なけれど見覚えがあるデジャブのようなものを感じた。

活字+ゆったりとした時間+ありふれた日常を味わいたいなら、この小説はとてもオススメできる。

ありふれた日常、もしかしたら何処かであなたも体験しているかもしれない。

そんなシーンが見つかるかもしれない。

それぐらい日常に溶け込んでいるが、ぼくが20代無職の男女を「仕事しろ!」と言うことなく住まわせるシーンは非日常としか思えないのだけれど、それすらもありふれた日常のようなモノを感じてしまう。

それは自分がそういう体験があるからなのかもしれない。笑

どこからが日常でどこからが非日常なのか。

わたしにとっては、すべてが日常のように感じられる、けれど小説という媒体で体験できる、不思議な贈り物だった。

本当、こんな小説あるんだ!

物語に起承転結がないので、粉雪のようにすぐに溶けて内容を忘れてしまうかもしれない。

けれど、ふと活字で日常を体験したくなったら、保坂和志さんの作品を手に取るのかもしれない。

続編も出ています。

プレーンソング 草の上の朝食

「書きあぐねいている人の小説入門」という本で、保坂和志さんの存在を知りました。実際に本人が書いた物語は読んだことがなく、保坂さんを知ってから2年の歳月が経ってプレーンソングをたまたま温泉地の書店で見かけ、即座に手に取りました。

不思議な本。この本を2年前に読んでいたら……小説家志望でもあるので人生ちょっと変わってたかもしれません笑 小説を書く上でこんな技法(起承転結がなく日常を丁寧に綴る)があるなんて、まったく知りませんでした。笑

やったことがない、書いたことがない技法。試したくなります。笑

けれど、今は小説を書く時間をブログに当ててます。

タイミングを見て、小説を書く時間が取れたら、この技法を試そう〜と思いました。(※なんかこの文章書いてて切ない気持ちになった)

最後に

保坂和志さんの小説を読んだ後に、小説の受賞歴がどうとか、いくつ本を出しているとかの情報が霞んでくる。

あまり書きたくなくなる。

それぐらい何かに感化され、何か大切なことを教えてもらったような気がした。

何だか、読了感の余韻はずっと残ってて欲しいと寂しくなる。それぐらい人間愛みたいなモノを感じた。