映画「ペンギン・ハイウェイ」のお姉さんの正体について仮説を立ててみた【語り部・少年】

僕は考えました。

お姉さんは正真正銘の宇宙人です。

ですがあの街で起こった騒動は一体何の意味があったのか。海は何なのか。

なぜペンギンなのか。あのペンギンを食べる怪物、ジャバウォックはどうして生まれてきたのか。

お姉さんはなぜ街を離れたら具合が悪くなったのか。

お姉さんはなぜ急に食事を取らなくなり、1週間も取っていなかったのか。

『食べたくないのよね。それに平気だし』とお姉さんが言っていました。

僕はこの謎を解くことがまたお姉さんに会う近道なのではないかと仮説を立てます。

研究は終わっていません。

けれどこの仮説を立証する材料が足りません。

よって僕の研究は長期戦になりそうです。

僕は大人になり、サラリーマンとして働いています。

謎は謎のままでした。手がかりもありません。研究は難航を極めていました。

仕事の帰り道の夕暮れ時です。

占い師がいました。

商店街の道沿いに簡易な椅子とテーブルを用意し座っている占い師はフードを深く被り、マスクもしています。顔はまったく見えません。

怪しいなと思いつつ、占いの金額が100円という安さに驚いたので、僕は昔起きた不思議な出来事の数々を話し、占い師の反応を見てみたいと思いました。

誰にだってあるでしょう。この話をしたとき他人はどんな反応を見せるのか。そんな好奇心です。謎を解明してもらいたいという欲求はありません。。。

欲求はありません。だってそうだったら僕は一研究者として失格だからです。

僕は100円を貯金箱に入れました。

占い師が折りたたみの椅子を取り出し、僕に座るよう促します。手も手袋をはめています。

「話してごらんなさい」と女性の声で言われました。

僕は過去の出来事、お姉さんの正体、お姉さんの謎について話しました。

「知ってるよ」

「え?」

「ぜんぶ知りたい?」

「はい…」

僕は占い師の言っていることを疑います。まず僕の話を疑うということはしないのでしょうか。

「疑っているでしょう。こんな話を信じたのかと」

「そ、そうですね」僕が変に緊張します。両膝に置いた拳に力が入ります。

「わかっているんでしょう?お姉さんが君に会う気がないということを」

「それはわかります。だってお姉さんが地球に来れたということは再び来れるだけの技術があるということです。僕に会いたかったら、何かしらのサインがあるはずです」

「お姉さんが身動きが取れず、サインが送ることができなかったら?」

「それは…可能性としてなくはないですが、そうなるとお姉さんが生きていかどうかもわからないので何とも…」僕は自分で言っていて、胸が張り裂けそうな気持ちになる。

「いじわるだよ。生きているよ」

「あなたは何者なんですか?」

「私も宇宙人だよ。だから体を隠してる」

「…なるほど。信じるとしましょ。僕はあなたの外見を見なければ、それが真実かどうか立証することができませんが」

「ふふふ、賢い人ですね」

「そもそも僕は賢いのです」

「姿は見せません。

信じるか信じないかはあなた次第です。

ただお姉さんという宇宙人について包み隠さず話しましょう。

お姉さんの種族は、自分の惑星に生まれた瞬間から居続けると大災害を生み出します。

両親の手の中に居るときは安心ですが、赤ん坊を離してしまうと、想像力が惑星と連動して、具現化されてしまいます。

赤ん坊の頃は、イメージをコントロールできず、即惑星崩壊の道に進みます。そのため他の惑星に子供を預けに行きます。

成人し自分の力をコントロールできるようになるまでです。

地球はイメージを具現化せるエネルギーが弱いので赤ん坊の頃なら暮らしても具現化されずに済み、平和に暮らすことができます」

「……その仮説は、今のところ矛盾を孕んでいません」

「事実ですから」

「…それで?」

「お姉さんは力をコントロールできるようになりましたが、地球で育ったエネルギーとの切り離しがあります。

それをペンギンエネルギーと呼んでいましたね。
切り離し方は様々ですが、良くも悪くも1番記憶に残るイメージの破壊に繋がっています。一度形成し、破壊する。

お姉さんの思い出の場所は海です。

海がいましたね。球体の海が。

そして、大きくなっていきます。あれが地球と結合してしまっているエネルギー体です。できるだけエネルギーを出します。

小さくなったり、大きくなったり海の大きさが変動していましたが、あれはお姉さんの葛藤でもあります。地球とのエネルギーを切り離してしまっていいのか。それは自分が何者なのか認めることにつながっています。認めたとき、切り離しは急速に進み、海が巨大化していきます。そして最後は自らの手で破壊します。

それが地球エネルギーとの切り離し方です。完全に切り離さないと故郷の星に戻れません。ここまでで矛盾は孕んでいますか?」

「特に。続きをどうぞ」

「切り離し期間は、体を軽くする必要性があります。
故郷に向かう際、生身の体でゲートを通ります。

軽ければ軽いほど通りやすくなります。怪我もします。

けれど想像力で帰ってくれば元通りになります。何億光年も離れている故郷ですが、ゲートを通ってしまえば一瞬です」

「お姉さんは今、何をしていますか?」

「戻ってくると一族に歓迎され、本当の家族に会えて、仕事をもらい、仲間ができます。
また違う地球のような星ですよ。
けれど唯一違うのは誰もが魔法を使えるということろです。この世界でいう魔法といった類に近い力ですね。

そしてその力を咎める者は誰もいなく、誰もがその力を祝福しています」

「あの、僕はお姉さんと一生会えないんでしょうか?」

「会えません。お姉さんはもう結婚し、子供もいて楽しく暮らしています」

「そうですか……」僕はこの占い師に飛び掛かかりました。

何を偉そうに。どんな想いで10代を生きていたと思ってるんだ。僕は彼女と結婚までしたいと考えてて、愛していたのに!!

何となく思っていたことを率直に言い過ぎだよ。少しは気を使うとかあるでしょうが!!

「こら、それはダメだって」抵抗しようと占い師が暴れます。

白い毛皮に包まれた獣のような生き物がいます。たてがみがふさふさとしていました。

獣は指を鳴らし、衣類だけ置いて姿を消しました。僕はどうしてこうも狐に包まれたような現象に出会すのだろうか。

追記:地球で子供が欲しいが子供に恵まれない家庭を見つけ出し、すべての事情を話し、了承してくれた家庭に子供を預ける。

地球までの道のりは自己回復ができない赤ん坊がいるため宇宙船で地球に向かう。一瞬で着く。

 

心構え・ルール


  • 子供が大きくなってきて想像力が具現化できることに気づいたとしても一切この件について話さないこと。(混乱し想像力を乱用した場合、子供の想像力を制御できる者が常にいるわけではない地球では危険が伴うから)
  • 子供が消えたら焦らず巣立っていったのだと思うこと。母星に帰っていったのだと。(20代から20代後半にかけて巣立つ)
  • 約20年から30年までの時間を宝のように大切に育てると約束すること(書類にサイン)
  • しっかりと育てると約束できた際、記憶の操作で本物の子供だと役所に戸籍がある状態になる。育ての親になる地球人に記憶操作を行うことはない。全てを開示した上での頼み事である。
  • 子供が万が一想像力を悪用した際、すぐに宇宙パトロールが向かう。どうしても地球での暮らしに馴染むことができない場合、強制送還もありえる。(その場合、記憶の操作は互いの惑星大きな不利益が孕んだ場合、行う。力は20代に入ったあたりから使えるようになってくるので善悪の区別が着く年頃。堅実に育てていればそうない)



地球人の愛、思いやりの気持ちは底知れず、お姉さんの惑星では地球に我が子を預けるのが大人気です。(ムーちゃんより)